〜「希望」とは何か〜
久しぶりに「ブログ」を書きます。
(ご無沙汰しておりました)
このところ、この作業が手に付かない状況だったこともあるのですが。
それ以上に「がんの情報」の在り方について、少し考える時期でもありました。
まだ考えがまとまっていないものの、今思っていることを正直に書いてみようと思います。
少し辛辣になるかもしれませんが、ご容赦ください。
■ 少し心配に思っていること
この数年で「がんに関する情報」が、ネットで普及するようになりました。
【通常医療・代替え療法】に関して、今まで知り得なかった方法を多くの人が知る時代になりました。
しかし、それは良いことばかりではなく注意も必要だとすごく感じます。
■ 「軽視」されていないか?
この数ヶ月間、数名の人と話をする機会がありました。
その中で多い質問が「どうすれば治るの?」です。
信じられないかもしれませんが、「末期がんって治るものでしょ?」という前提で話をしてくる人が、この1〜2年で増えたように感じます。
私にはどうにも、この数年であらゆる「がんの情報」が流れるようになったことで、「がんという病気自体が、軽視されていないか?」と思えてなりません。
私も様々な情報を調べますが、そのような情報を見聞きしていると、「がんって、大体治る病気だよね?」と、錯覚する人が増えてもおかしくはないように感じることがあります。
確かに、数十年前と比べると「生存率や余命」は大きく向上しています。
しかし、決して侮って良い病気ではありません。
本当なら、声に上げて言いたいことではないのですが、あえて書かせて頂くと。
「病気を治す」ということにおいては、【通常医療】に勝る方法はないと思います。
特に「日本のがん治療」は、世界的に見ても高いレベルだとも思っています。
その【通常医療】を扱うお医者さんが、「難しい状況」と言うのならそれはやはり「難しい状況」です。
【代替え療法】などを模索するにしても、その前提をしっかり受け止めているか否かは重要だと思います。
■ 私が思う「希望」とは
【代替え療法】の意義について、私が思うことを書きます。
これは、私がずっと言い続けていることですが。
「絶対に治る方法は存在しない」ということです。
知人によくする話を書きます。
「スティーブ・ジョブズ氏」が、膵臓がんで亡くなったのは56歳の時です。
ジョブズ氏と言えば、世界でもトップクラスのお金持ちです。
彼の経済力を考えれば、「受けられない治療」はなかった筈です。
しかし、そんな彼でも56歳で亡くなっています。
ジョブズ氏の「最初の9ヶ月の治療方針」は、ここでは触れずにおきますが、あらゆる治療が受けられる人であっても、助からなかったということが事実です。
「絶対に治る方法は存在しない」のです。
(少なくとも現時点では)
「じゃあ、何のために代替え療法は行うのか?」
大切なのはここなのですが。
「絶対の方法はないけど、1%でも可能性を引き上げることはできる」と、私は思います。
数は少ないかもしれませんが、お医者さんから「難しい状況」と言われた人でも、生還した人はいます。 ※ 私もその1人だと思います。
だから「難しい状態」という事実は受け止めなければならないものの、「希望」まで捨てる必要はありません。
【スラムダンク】の名言ではありませんが、「諦めたら試合終了」なのですから!?
■ 「希望」と「受容」
ここまで書いてきたように、がんに対する「希望」は、現状を「受容」することとセットであるべきだと思います。
「受容」していないまま「希望」を模索する行為は、「有りもしないものを信じて探し続けること」になるため、それはいつか「大きな不安・ストレス」になって返ってきてしまいます。
私の知っている人も「現実を受け入れる覚悟がない状態」のままで【代替え療法】を模索している人もいますが、そのような人は「大きな不安・ストレス」を抱えてしまっている人が多いです…
※ 気持ちは痛いほどわかるのですが…
「末期がんと向き合うためには、良い意味でのひらき直りが大切」という言葉はよく耳にしますが、私もそうだと思います。
本当はこんな記事を書きたくはなかったのですが。
最初にも書いたように「がんの情報の在り方は、本当にこれで良いのか?」と思う機会が増えました。
簡単に様々な情報が手に入るようになった今だからこそ、「情報を手にする前の、心構え」が重要になったのではないかと思います。